きのう、店が閉店して、深夜3時前ごろ。
スタッフたち数名だけが残って、フロアの清掃や酒の発注処理をしていたら、
店の入口でずっと立って待っていた男性が、急に「はじめまして」と話しか
けてきました。
私はその男性の顔をどこかで見た記憶があったので、過去に店に来たことが
あるんだろうと思って、そのように挨拶をしたら、
「作業が終わったあと、二人で話をできないか」
名前も名乗らないし、目も座っていて笑顔でもないし、普通の男性客のように
気軽な「このあと飯いかない?」というナンパとはまったく空気が違って、
薄気味悪くてとても怖かったので、そういう時間はないと断わったのだけど、
まったく引く様子がなく、何度も執拗に
「話を聞いて」「二人で話したい」「みんなの前では話せない」
スタッフが薬剤で磨き上げたカウンターに手をついて、べたべたと手痕を
つけてしまい、「そこ、触らないでください」と注意されてもいるのに、
それでもまた別の場所に手痕をべたべたつけながら、私のほうへじりじり
詰め寄ってくるのです。
周りも異常を察知して、その男性の背後で警戒する状態になり、
怖くなったので、距離をとるように離れたのですが、
「メールを読む気はあるか」
「A4で4枚ぐらいの文章」
「文章を読むことぐらいできないのか」
「読む気もないということか」
それでも私が断わり続けたら、
「小林よしのりに送ったメールなんだが、読む気はないのか」
それで、その人の顔をどこで見たのかを思い出しました。
以前、青木理氏・東浩紀氏・津田大介氏をゲストにお呼びしたゴー宣道場で、
会場に来ていた参加者です。
質問タイムに挙手して「自分は三宅洋平の支持者だ」と言い、道場の議論の
本質とはズレた「三宅洋平を馬鹿にしないでほしい」というような話をして、
師範方とゲストの方からたしなめられた人でした。
ますます怖くなったし、スタッフが「奥に隠れて」と目配せしてくれたので、
控え室にこもってドアを閉めました。
男性は、最初、店に、赤ちゃんを抱いた奥さんを連れてきていました。
男性と奥さんとの会話をそばで聞いていた人によると、どうやら
「30分ぐらいどうしても話をしたい人がいるから」
と言って奥さんと子供だけを帰し、店の閉店を待ちはじめたのだそうです。
私がずっと控え室のなかに隠れてなにも応答しないでいると、
やがて、ものすごい大声でなにかを怒鳴って、男性は引き上げていきました。
とてもとても怖かった。
そのあと清掃をつづけている間も、またドアを開けて舞い戻ってくるんじゃ
ないかとずっとビクビクすることになったし、
清掃が終わって帰るときも、店の外で待ち伏せしているんじゃないかという
話になり、何人かの人が外の様子を偵察してくれたほどでした。
それでも、外に出るときは怖かったです。
また今後も押しかけてくるかもしれないと思うと恐怖を感じます。
なぜ、私が、名乗りもしないで勝手に「話をしたい」と待ち伏せしていた
男性のために、深夜3時に、二人きりで話を聞かされたり、長文メールを
読まされたりしなければならないんでしょう。
なぜ私が言うことを聞かなければならないんですか?
読ませて、どうしたいんですか?
っていうか、誰なんですか?
それも、赤ちゃんを抱いた奥さんを連れてやってきて。二人だけ帰して。
父親としても常軌を逸しています。本当に怖いです。
もう本当にやめてほしいです。